雲ノ平〜笠ヶ岳への山旅

家庭も仕事もすっかり頭から消え、ただ毎日、ひたすら山を歩き、山のみに没頭した
素晴しく贅沢な日々であった。

水晶岳山頂にて.99/8/18
 
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メンバー    単独
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 8/15日&8/16月<雨>
  自宅2100〜急行・能登〜富山615〜直行バス〜折立850/930
  →太郎平小屋1400 

 8/17火<小雨→晴れ>
  小屋640→薬師沢小屋854/910→アラスカ庭園1130/1225
  →アルプス庭園1242/1336→雲ノ平山荘1400

 8/18水<快晴>
  小屋540→祖父岳700/715→岩苔乗越800→水晶岳915/940→岩苔乗越   1033/1042→鷲羽岳1140/1210→三俣山荘1310

 8/19木<晴れ時々曇り>
  小屋550→三俣蓮華岳635→双六岳744→双六小屋840/900→鏡平分岐1015
  →秩父平手前ピーク1125/1205→笠新道分岐1400→笠ヶ岳山荘1500

 8/20金<曇り時々小雨>
  山頂ピストン440/535〜小屋615→笠新道分岐700→杓子平750/810→林道1030/1045→新穂高温泉1135〜松本〜新宿〜自宅2100
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8/16
 上野2354発、夜行急行の能登は満席だった。 夜行はガラスキと思っていたが、お盆の影響? 我慢できなくなり、3時頃通路で横になる。

 富山でマス寿司を調達し、直行バスで折立。
 折立、さすが北アルプス、人が多い。 小雨なので傘をだし登る。
 全くいい道。 標高1900m以上は西吾妻山的草原状の景観。
 やがて本降り、雨具をつけた。
 
 小屋の乾燥室は大混み、初めて利用する。 これは助かる設備である。
 夕食後、ガスが切れて水晶岳のみが姿を見せた。 なかなかの山容。
 布団一つに一人。 夜中、天頂部に星空、富山の夜景、ただし稜線にはガスが
 かかっていた。

8/17
 朝、小雨混じりのガス。 どこへ行くか悩む。 食堂で面前だった単独の若い娘さんは
 黒部五郎。 隣のおじさん達は大東新道から高天原温泉とか。どちらにも気を惹かれたが
 、雨の歩行時間が最少となる雲ノ平が最適と判断。

 薬師沢小屋までは、木道が多く敷設され、雰囲気も尾瀬みたいである。
 筑波山の岩道みたいな急坂を登り切ったら、木道となり、尾瀬というより
 西吾妻的な高原状台地。 雲の切れ間から青空が覗き始めた。
 アラスカ庭園でランチ。今回はすべてラーメンの予定だ。
 アルプス庭園で展望を楽しむ。黒部五郎、三俣蓮華にかかるガスが頑固。
 小屋からも薬師以外の展望がきき、赤牛、水晶、モヒカン、祖父、のパノラマ。
 時間がたっぷりなので、水晶と祖父岳をスケッチ。

 水晶が予想以上立派な山容なので明日いくことに。
 期待以上の天候。 昨年の夏は雨の聖だったが、今年は大当たりだ!
 今晩も布団一つに一人。 2夜続けての天の川、サソリ座だけがわかった。

8/18
 大快晴で大パノラマ。 今年は幸運がついている。
 雲ノ平は360度、種々特徴のある山容の山々に囲まれていることが実感できる。

 もっと素晴らしい展望を求めて、祖父岳に登る。 薬師が大きい。
 遠望が得られ、白山、富士、白根三山、塩見、荒川、赤石、浅間、八つ。
 もちろん槍、穂高、笠も。 笠は独特の山容なので、惹かれた。

 水晶岳からは北方面の山々、奥大日、剣、立山、白馬、唐松、五竜、蓮華、針ノ木
 がよく見渡せた。 間近に野口五郎。
 山頂で、昨日の単独娘に遭遇。 昨日は黒部五郎を抜け三俣泊とか、タフな人だ。

 鷲羽岳の下りは急勾配で高度感がある。 下りがもういやになった状態となり、
 双六小屋行きは中止し、三俣山荘の生ビール・大ジョッキ1200円を味わう。
 夕暮れの槍の展望は得られなかった。 布団一つに一人。 
 明日の目標を笠に決め寝た。

8/19
 今日も早朝の展望。 槍穂高連峰が大きい。 槍は昔、GWに肩までいった。
 奥穂高は昨年11月初め登った。 どちらも人がほとんどいなかったが、
 今日はすごい人だろう。

 双六岳から双六小屋に向かう尾根で、今回の山旅で最も印象的な光景に出会った。
 丸い尾根の行く手に三角形の槍ヶ岳がドーンとそびえ、この形のコントラストが
 とても素晴らしく美しい!  尾根の道がまるで槍に向かってのびている。
 思わず写真、そしてスケッチ。
・・・スケッチと写真じゃかなり違う・・・

 大ノマ乗越上部の登りで、雷鳥に出会う。
 秩父平手前のピークでランチ。
 疲れてきたので、ここからみる抜戸岳は大きく、圧迫感があった。

 最後の体力を使いきった感じで、鳥海山山頂部に似た最後の大石がごろごろした
 急坂を登り、ガスに煙る笠が岳山荘についた。
 ここは昨年新築されたらしく、すべてが真新く、食事も良かった。
 夕暮れの展望を期待したが、ガスはとれず。 最後の晩も布団一つに一人。

8/20
 最終日、ガスの中、山頂でのご来光と展望を期待して登る。
 ケルンが乱立した山頂はこれまでとは違う独特な雰囲気。
 一瞬ガスがきれ、霞沢岳の稜線と太陽が見えた。

 ガスの中の下山となった。 思い残すことなしだ。
 杓子平へのガレた道は涸沢ザイデングラードを思い出させた。

 笠新道の下部にはきれいなブナ林があった。
 
 新穂高温泉では無料の村営風呂で汗を流し、バスで松本に抜けた。

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