秋田祓川口からの鳥海山
8月19日(月)
もう少しで日が落ちる頃、羽後本荘付近に至った。 車から秋田側から初めて
の夕暮れの鳥海がくっきりと見えた。 ちらちらとよそ見運転は危ない。
気になってしょうがないので、車を止め、カメラだ。本当に神々しい姿だ。
山形側より富士山にちかい形状の出羽富士そのもの! 幸せ!
こんな景色はこれからもなかなかお目にかかれないだろう。
矢島のコンビニで食糧を補給し、夜道を車で登る。 ヘッドライトで浮かび上がる
ブナ林はなかなか。 祓川駐車場には車が2台のみ。 今日も満天の星空。
黒いシルエットとなって鳥海山が浮かんでいる。
8月20日(火)
快晴の朝、鳥海がはっきりみえる。 まず最初は竜が原の湿原、祓川神社付近には
ミズバショウが咲いていた。 2回小雪渓を登った後の賽の河原で最初の休憩。
目前に雪渓があり、いい水場。その雪渓を登って、あらわれた花畑のチングルマが
美しい。 花を気にしての鳥海は初めてだ。 御田上の雪渓を越え、滑り台のような
狭いナメのある七つ釜につく。 すぐいくと康新道との分岐だった。 ここからは
一番大きな雪渓・大雪路である。 傾斜がさほどないのでカナが滑っても安心。
狭い谷間の溶岩帯・氷の薬師からは七高山がもうすぐの感じに見えた。
最後の急登である舎利坂直前の小雪渓で大休止とする。 山頂小屋で高い水を買わな
くて済むように水筒に水を満杯補給し、おにぎりの後、雪渓のザラメ雪にコンデンス
ミルクをかけたカキ氷を頂く。 これが本当においしく、夏山最高のデザートだ。
辺りにはイワギキョウ、チョウカイアザミ等の花が・・・・・
最後の急登で道を間違えて七高山裏にでてしまった。 戻るのも面倒と七高山頂裏の
危険な岩場をトラバースし、外輪山の本道に出て、スリルある七高山登頂となった。
カナは恐がらずついてきたので助かった。 山頂にいると我々と同じコースを辿って
るパーテイが進むべきか悩んでいるのが見えた。 声を出し、戻って左方向から
登ったらいいとアドバイス。 最後の登りは康新道の右方向にいかず、左左と真っ直
ぐ登っていくのが正解で、楽に山頂に行けます。
水場がないつもりで先程水を補給したのに、あにはからんや、七高山と新山の鞍部に
は雪渓がまだ残っており水場がありました。 小屋付近にはそこらかしらにチョウカ
イフスマが咲いてました(こんなもんなのか、小さい花たち)。
小屋は13時半から受け付け、予約以外食事の提供はダメの張り紙あり、問い合わせ
ると混雑時のみとのこと、今日は団体の予約もなく空いているらしい、ホッ。
神社を20年ぶりに立て替えるとのことで、荷揚げのヘリコプターが資材をかなり
の頻度で荷揚げ中。 NHKの取材班2人がカメラを回している。
以前に比べ小屋は真新しく、快適になった。 16時そろそろガスが切れて展望が
楽しめるだろうと、カナを小屋に残し新山に向かう。 山頂には同じねらいの人
が夕暮れの大展望を見ようと待機中であった。 17時頃ようやく月山、葉山がクリ
アに、そして日本海岸線、夕日にあたる飛島が美しい。 でも残念ながら、飯豊、
朝日、神室、栗駒、焼石、森吉等の遠望は無理みたいだ。
でも徐々に遠望がききはじめてくる、・・・しかし、夕食のタイムリミットが・・・
あと一時間居たかったが、食事付で頼んだからしょうがないと愚痴り、小屋へ戻る。
午後のガスで中断されていたヘリ荷揚げが再開され、このため夕食は一時間後だと
・・ギャフン。 食事はあいもかわらず質素、海藻の味噌汁はベリィグッド。
御飯のおかわりなしだが、小食という2人よりライスを分けてもらい(感謝)、
持参した中華丼の具をかけていただく・・・・ケッコウイケル。
今晩も満天の星、今度の旅は天候に恵まれ、星空が毎夜続いている。日本海にイカ漁
の漁り火。 何年ぶりかで流れ星。 明日の影鳥海を確信。
今日は車の運転がなかったので、極楽でした。
8月21日(水)
寝ているカナを起こさず、七高山で御来光。 墨絵のような美しい光景。
確認出来たのは岩手、秋田駒、八甲田、早地峰、森吉、焼石、栗駒、神室山地、
葉山、月山。 残念ながら、朝日、吾妻、飯豊は見えず。
展望の後は日本海に映る影鳥海、久々。やはり、これが鳥海の最大魅力、自分は
展望重視嗜好なのだろう。
小屋の朝飯は5時半ということで、もうタイムリミットなのだが、昨夕のことも有
り、個人的都合優先ときめ、遅れることとする。
大好きな河原宿方面の景色を見ようと、見える場所まで外輪山の道を下る。
滝の小屋、河原宿の小屋が見えた、なつかしい。
展望に満足し、カナと康新道を下った。 ずっとなしかしらの花が咲いていた。
こちらのコースは新山を見ることができ、花畑がつづく道だ。
駐車場には11時15分に無事着いた。 そして、カナのお目当ての遊園地のある
山形に向かった。 途中、碁点温泉で汗を流した後、念願のあらきそばのそばを
食べたのだ(山形の田舎そばは美味です)。
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【日 程】96年8月19〜21日(月・火・水)
【天 候】晴
【コース】8月19日
後生掛温泉〜祓川口駐車場1940泊
8月20日
祓川口700→賽の河原740/755→七つ釜840/900→舎利坂直下1020/1110
→七高山1200→山頂小屋1230/1600→新山山頂1620/1710→小屋1730泊
8月21日
小屋710→七高山730→康新道→分岐920/940→賽の河原1030/1040→
祓川口駐車場1115/1140(車)〜湯沢〜碁点温泉〜あらきそば〜山形泊
【メンバ】かむろ、カナ(小5)
【参考書】エリアマップ鳥海山
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