GWの鹿島槍
13年前の燕・常念岳以来の残雪GWの北アルプス単独行だ!
最近はずっと子連れハイクをGWにやってきたが、もう子供は山に
ついて来なくなってしまった。 山に連れてってという、可愛い
山好き青少年・少女らに、成長しなかったのだ。 それならと、
俺は寂しいが、もう子供にかまわず、今度のGWは好きにやるぞと
決心し、一人で出かけることにした。
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【日 程】96年5月2日〜3日
【天 候】5/2小雨、曇り一時晴 5/3快晴
【コース】5/2:扇沢南尾根取り付き725→ジャンクションピーク1024/1047
       →爺ケ岳南峰120O/1240→冷池山荘1415
     5/3:冷池山荘600→鹿島槍730/740→冷池山荘825/840
       →爺南峰1000/1010→ジャンクションピーク手前1040/1100
       →扇沢南尾根取り付き1335   
【メンバ】単独
【山 域】北アルプス・後立山
【参考書】昭文社エリアマップ鹿島槍、#00125アルプさん報告 
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5月 1日
 久々の残雪単独行なので、体力温存ベストコンデションで登るべく、
 夜行はやめて、扇沢アルペンホテルに泊まる。 登山客は一人だった。
 雨が降っており、晴れていれば、登り口のトレース状況を確認しようと
 思っていたがやめた。
 明日の天気予報は良くない、曇り雨で午後からかなり崩れるとのこと。
 雨の中だとルート誤る可能性が高くなるので、予定通り冷池小屋いけるか
 不安になる。 天気ひどい場合は、歩行時間の少ない立山・一の越山荘
 にしようと決める。

5月 2日
 昨日よりはましな小雨なので、扇沢登山口にいき、スパッツ&アイゼンをつけ、
 出発。 すぐ、2300m付近でテント泊の予定という単独の人を抜く、もう今日先行
 したような真新しいトレースはなくなった。 多分昨日下山した人がつけた
 トレースと冬道目印の赤布を参考に登る。 少し立つと雨が止んだ。
 本当に急な尾根道を喘ぎながらのぼるとガスの中に入った。大町側からの風が
 なんか暖かい。 
 ほどなくして、ガスが一瞬切れ真っ白い鳴沢岳付近の稜線がみえた。凄い!
 上空のガスは厚くなく、薄日が・・・上の天気は悪くないようだ。

 ようやく、樹林の急登が終わり、見晴らしの良い雪原の尾根となった。
 小ピークがあり、これがジャンクションピークなのかなと思う。時折ガスが
 切れ、素晴らしい雪山展望を味う。 雪原のトレース脇に一人用のテントが
 あった。 この辺がテントサイトらしい。 寒い北風を避けれるように
 左側に樹林があり、雪崩を起こす急斜面もなく、いいとこだ。

 雪がついてない岩道となったので、アイゼンをはずし、軽快に登っていくと
 、先程のテントの人に遭遇し、お互い剣岳をバックに写真を取り合った。
 五竜から縦走してきて、今日下りるとのこと。

 爺ヶ岳南峰では鹿島槍、立山、剣、槍穂高等の素晴らしい展望が待ってました。
 今日下りるというカメラマンが三脚を構え狙ってました。今日泊まる冷池山荘
 も間近にはっきりとみえ、もう安心です。 南峰での証拠写真をとってもらい
 、剣方面の展望を前にランチ。 

 爺ヶ岳南峰から中峰への道で、初めて雷鳥に出会いました。約2m程前を雷鳥
 が道案内のごとく先導してくれました。 人を恐がらないので、驚きです。
 距離にして約50m位、案内していただきました<可愛いやつ> 。
 また、燕が多数飛んでいて、こんなとこにツバメが!・・・アルプさんの報告
 どうりでした。

 北峰から小屋までの雪道は腐っていて、足がズボズボ潜って、身動き取れず
 状態を幾度となく・・・ラッセル的状況で体力を消耗し、バテバテでした。
 展望室でスコッチの水割りで、なんとか無事たどり着いた自分に乾杯!
 小屋は千葉のカメラマン3人と新潟の人と自分で合計5人、テントは3張り。

5月 3日
 予報どうり快晴。 鹿島槍へアタックだ。 小屋から布引までは雪道があるが
 大部分雪がない道だろうと判断し、アイゼンはつけず行くことにした。
 冷え込みが厳しかったので、雪が固く、ズボズボならず、軽快だ。
 しかし、今日は猛烈な北風、岩に出来たえびの尻尾の破片が飛んできて、顔を
 刺す、耳頬痛い、目出帽が欲しい。 のんびり山頂を目指す風情余裕なし、
 風に負けないように、身を屈めて進む。

 鹿島槍南峰から昨日みることの出来なかった五竜白馬を含めた360度展望が
 待っていた。 誰も居ないのでセルフで記念写真をとり、強風なので、早々に
 下りた。 途中、小屋から登ってきた3人パーテイと単独の人に出会った。 

 小屋に戻ったのが8時25分、予定では今日のアルバイトは終わりだが、
 アルコールも飲み尽くしやることがないので、安全な昨日登った扇沢ルートを
 下りることに決めた。 展望は凄いが風が強いので、のんびり稜線漫歩どころ
 でなく、先を急ぐ風情と相成った。 南峰を下った、雪原の小ピーク手前付近
 が風が弱かったので、そこで昼飯とした。

 雪原には設営中のテントが5張り位あった。 連休で今日は続々登ってくる。
 結構ここのサイトはテントだらけになるのかな。トイレがないのでどうする
 んだろうと思う。 
 アイゼンは面倒と着けなかったので、時折氷結した所で苦労しながら、樹林の
 中の残雪の多いルートを、もういやだという感じで下りた。
 扇沢付近でフキノトウを採ろうとしましたが、雪が覆いほとんどなかった。
 一個だけ見つけ、おみやげにしました。

PS 大町温泉郷では桜が満開でした。時間がなく、薬師の湯に入れなかったのは
  残念でした。帰りの車中からみた北アルプスの姿はいいものでした。
  今回はちょっとアルコールが少な目で、健康的でした。