羽後朝日岳・スリル満点偵察行


これまでの秋田の山で一番ショッパイ思いをしたハードな山行であった。ガイドブックに載っている山なのでこんなにもハードな山との認識はなかった。事前の情報収集が不足していたようだ。今回はルートをミスし、時間切れで稜線手前の藪(標高1200m)から引き返す偵察行となった。

仮設の車止め手前に車を置いた。先行車一台あり、ちょうど単独男性が出発するところだった。彼はビーチロフトの稲倉岳、太平山の山行でご一緒した人だ。20分ほどで堰堤の工事現場。迂回路が切ってある。ここにも車一台(戻る途中で会った単独男性のもの)。ここまで車はOKだったか・・。しばらく行くと鉄製の堰堤が3カ所。鉄の堰堤を見たのは初めてである。最後の堰堤を乗り越すと、沢歩きとなった。徒渉中、足を滑らせ、靴中水浸しとなる。ついで大石を越す際にバランスを崩し転落。右膝を強打。やばいと思ったが、何とか歩けるので、ホッとした。今回は山靴で入ったが、スパイク靴の方が正解であったようだ。

休憩中にフェルト靴の寡黙な単独男性が登ってきた。滑りやすい水中の石、ルート取りなどで結構疲れる沢である。これに比べれば森吉の沢は舗装道路である。二股には終末期の雪渓が残っていた。ここまで約3時間。沢の周辺にはウドがある。

滝が出てきた。左にロープのある巻き道。ロープを使って足場のない岩をよじ登る。ショッパイ所だ。師匠は女性仲間のためにロープ確保。ここをやり過ごすと、落石の危険一杯の急登となった。本来のルートは右に入る踏み跡をたどり沢を上がるべきだったが、見落としてしまったらしい。急登ルートは明瞭だったのだ。ここで若手単独男性が追い抜いていった。程なく、上から大きな落石。急いで『落』と声を出し、左側に身を・・。危機一髪、幸運だった。全員無事!謝るでもなく若手は急いで登っていった。若手とはかなり距離をおき、登り再開。落石を起こさないように慎重に。権現からの八ヶ岳・赤岳の急登を思い出した。次第に傾斜がきつくなり、直登出来なくなったので、手がかりになる木がある藪をつめていった。もうほとんど腕力勝負。踏み跡がはっきりした所に出た。ゴミもある。二の沢モッコ、稜線が見えた。少し登ると踏み跡も不明瞭となり、藪こぎとなった。熊のウンチがあり、山親父のなわばりだ。明瞭な踏み跡を少し探したが見つからない。帰りを考えるともう時間切れ、ここで引き返す事にした。今夜は8時からワールドカップ決勝を見なければならない。

ロープ手前で初めての単独男性にあった。彼も間違って藪急登ルートを辿り山頂に行ったという。帰りは沢ルートで降りたきたらしい。ちょっと登った所に沢にはいる踏み跡があるとの情報。二股で遅いランチ。落石の若手が降りてきて、しばらくして寡黙な単独男性が・・。

戻ったら、顔見知りの単独男性の車はもう無かった。彼はルートミスをしないで無事帰還した模様。

本当にショッパイ山であった。次回は気合いを入れ、スパイク靴、軽量装備、ダブルストック(二股までの沢歩きにはあった方が良い)等の装備面でも対応しリベンジを図るのだ。


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2002年6月30日(日) 快晴  秋田面々6人と
林道車止め700→二股950→約1200m最高地点藪1225→二股1315/1400→車1745
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