三鈷室山・福島側山麓の一夜
奥竜神遡行の汗を滝見の湯で流した後、このまま帰るのはもったいない気
がしたので、とっておきの車中泊適地で山の一夜を過ごすことにした。

スーパーで今夜のごちそうと酒を調達した(長葱、豚肉、すき焼きのたれ、
日本酒、ビール)。ワインとウイスキーは車にあるのだ。

福島県追分集落をすぎ、ダート林道にはいるとまた新たに山が伐採されハゲ
ていた。 林道脇には伐採された天然林の材がうずたかく積まれている。
この周辺の伐採作業はかなり大がかりである。 天然林をきってどうするの?
植林でもするの? できれば天然林のままにして欲しいものだ。

昨年の山菜勉強会で見つけた適地へは一部氷結した箇所もあったが、
一般車でも問題なく入れた。 ここはきれいな清流と開けた空
伐採を免れた形のいい広葉樹の林がセットになっていて、お気に入りなのだ。

早速、我は夕食の準備、国氏は焚き火の準備である。空は夕暮れ、星が
瞬きはじめた。全く雲が無く、徐々に冷気が忍び寄ってくる。

枯れ枝は凍っていて、安定した火炎にはいたらないので、主に枯れ草を
燃やし暖をとる。 

まずはホットワイン、ついですき焼き風豚煮と熱燗、カレーうどん、
最後はウイスキー。

食べている内にますます星が輝きだし、滅多に見られない満天の星空となった。
カシオペア、北極星、北斗七星、オリオン座。これが私の星座知識のすべてだ。
この星空ではオリオン座がさほど目立つ存在ではなくなっている。

深々と深々と寒くなってきた。ペットボトルの水も凍ってきた。
こんな星空をずっと野外で眺めるのは初めての経験だった。

22時頃お開きにして、寝ることにしたが、シュラフの中で足が冷たく
寝れない。足を動かしていたら徐々に暖まり・・・

翌朝8時起床。 胸と腕の筋肉痛が激しく、体が不自由状態になっていた。
昨日、普段使わない腕力をかなり酷使した証拠である。

今日はここ車中泊地から山頂までの楽なルートを確認することとした。
この追分けからの一般道の鞍部分岐に最も容易にたどり着けるルート
は昨年の勉強会で下り道として通過したのだが覚えきれず、その後一回
トライしたがだいぶ手前から尾根に入って失敗した。

今回は前回の反省から林道をかなり行ってから尾根にとりついた。
正解で有ればすぐ分岐なはずだがでなかったのだ。

薮を上がると右方向に電波塔が見えたので、方向転換。 
薮をこいでたら小枝が顔面パンチ。その後、目に映る像が正常ではなくなった。
ショックで視神経が一時的に麻痺したせいだと思っていたが、回復しないので
おかしい、眼鏡をみたら、片側のレンズが無くなっていた。これが原因とわかって
一安心。つまり小枝のパンチをレンズが受け取ってくれたようだ。
今度は電波塔が左に見えた。ついに電波塔の真裏即ち北側にでた。

だいぶ林道を行きすぎたとみえる。
山頂からは奥久慈の山々、高鈴、神峰の展望。
紅茶で暖をとる。 雪が舞っている。

下りは一般道をたどる。尾根道から追分け方向への分岐地点
の石に赤ペンキで印が付けられていた。鞍部の分岐から
登りに使った林道方向に下りると、すぐ林道だった。

ここがわからなかったのだ! 良く見るとこの地点には
白いテープを結んだ目印がある。ここか。頭に刻み込む。
目印の杉についた白テープ

適地に戻った後、時間があるので周辺を偵察する事とした。
昨年の勉強した谷に入り、尾根に上がろうとしたが
どの道もイバラの薮で覆われ、進退ままならず撤退を
繰り返した。 最後はイバラのない笹薮に突入したが
背丈以上の頑固な笹抵抗にいやになりこれも撤退。

片眼眼鏡では暗くなる前に帰らねばと14時に帰途についた。
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期日   2000年2月5&6日(土&日)
天候   2/5晴れ 2/6曇り
メンバー 国氏と二人
行程   2/5 〜三鈷室山麓デポ1710(車中泊)
     2/6 出発930→林道→薮道→三鈷室山1040/1115→一般道→分岐
        →林道→デポ地1200〜周辺偵察1215/1400〜自宅1620
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